帯締めとは|使い方や種類、TPOで使い分けは必要なの?最初の1本におすすめなのは?

KIMONO DOOR
どんなものを選ぶかで着物コーディネートの印象を大きく変えられる「帯締め」。でも、名古屋帯や袋帯で使う帯締めはただの飾りじゃないんです。ちゃんとした役割があります。一重太鼓や二重太鼓においては、お太鼓の形をつくるために、そしてその形をキープする為に不可欠な紐なんです。本日は帯締めの基本についてお話したいと思います。

帯締めの役割り

帯締めはお太鼓の中を通っていて、タレ(帯の端)が落ちないように押さえる役割を担っています。
とても重要な紐です。

帯締めの役割
帯締め外れたり緩いと、お太鼓の下部分が押さえられないので崩壊します。

半幅帯では帯周りを華やかにするために帯締めを飾りとして使うこともあります。

この場合は何かを押さえる役目はないので、緩くても帯結びが崩れたりはしませんが、帯締めだけ落ちることはあります。

半幅帯に飾りの帯締め
半幅帯では、帯締めを飾りとしても使います。

帯締めの種類について

帯締めで1番多いのが「組紐」です。
細い糸を機械や人の手で組む(=編む)ことでつくられています。
有名なアニメ映画「君の名は」に組紐を組むシーンが出てくるので実は見たことがある方も多いのではないでしょうか。

組紐は形状の違いで大きく3種に分かれます。

平組・・・幅広の平たい組紐。グラデーションや柄が入った物など様々あります。「高麗組」が有名です。
丸組・・・断面が丸に近い組紐。「四つ組」など。
角組・・・断面が四角に近い組紐。やわらかいものが多く、中でも「冠組」「御岳組」が有名です。

更に組む時に使用する「組み台」の違いや、組み方そのものの違いで沢山の種類に枝分かれし、それぞれに「●●組」と名前が付いています。

 

帯留めという、帯締めに付けるアクセサリーに通すために細めに作られた組紐もあります。

帯留め
帯留め。大体が三分紐に通せる金具がついていますが、ブローチを代用することも。

代表的なものは三分紐です。
三分とは1cmくらいの長さ(幅)の事です。
(太さによって、四分紐、二分紐などもあります)
強めに引っ張ってもちぎれない強度があれば、リボンや手芸用の紐でも代用できます。

丸ぐけという、組み紐ではなく中に綿が詰まった帯締めもあります。これも振袖によく合わせますが普段着用のシンプルな丸ぐけもあります。

レース組の帯締めは夏向けです。

TPOで帯締めの使い分けって必要なの?

必ずしも使い分けが必要な訳ではありませんが、それぞれのシーンに適した帯締めの判断の目安はあります。

第一礼装(黒留袖or五つ紋付き色留袖×袋帯)

白に金糸が入った平組か丸組または丸ぐけがスタンダードです。金のみや金と銀の組み合わせなどもふさわしい帯締めです。
振袖も第一礼装ですが、振袖に使う帯締めは留袖とは違い色に決まりはなく、カラフルな配色に飾りがついたものなど様々あります。

略礼装(訪問着×袋帯)

淡い色味の平組か丸組に金糸か銀糸が入っているものが多数派です。淡い色味の冠組も使われます。

略礼装として着る付け下げや色無地も上記に準じた物を使うことが一般的です。

でも濃い色を使ってはNGというルールがある訳ではありません。淡い色のほうが主張し過ぎず着物や帯に合わせやすいので選ぶ方が多いです。

三分紐は略礼装に使えるの?

第一礼装(留袖、振袖)には使いません。

略礼装(訪問着×袋帯)では絶対に三分紐はNGということではありません。でもお目出度い席への参列で使う時には少し注意が必要です。

三分紐を使うという事は帯留めを合わせるという事ですが、帯留めの素材で冠婚葬祭の場に相応しい物と相応しくない物があります。

相応しいのは、宝石やパールなどの礼装用の帯留めです。サンゴで作られた末広などのお目出度いモチーフの帯留めも合わせられます。

相応しくないのは、象牙や鼈甲など「殺生」を連想するものです。

洋装の場合でも毛皮や皮製品を身に付けるのは控えるというマナーが浸透しているので、和装でもそのようなものは身に付けないのが無難です。

(どうやら殺生NGは仏教教えなので、元々は仏教系のお葬式においてのみのことだったようです。それがいつのまにか日本においては冠婚葬祭全ての場でとなったようです。)

 

普段着、礼装、どんなシーンでも使える万能帯締めの存在

普段着に使えて且つフォーマルシーンで準礼装まで使えてしまう帯締めの代表格は、「冠組」です。

訪問着などゴージャスな着物に合わせる場合、トータルコーディネートという観点ではそのシンプルさ故に(あくまで着物を見慣れている方にとっては)物足りなく感じてしまう方もいるようです。

でも元々は衣冠装束の冠の緒に使われていた由来のため組み方自体の格が高いと捉えられるので、冠組を合わせても失礼には当たりません。

もし買うなら、最初の1本目におすすめなのは?

「黒留袖、色留袖(第一礼装)に合わせたい」場合

→白×金×銀、もしくは、白×金、金×銀、金のみ、の平組がオススメです。
金糸と銀糸では金糸の方がより格が高いので、白×銀はやや格が下がります。
第一礼装に限っては、特に全体で「格」を乱さない装いであることが重要ですので、専用の帯締めを推奨します。

「訪問着や付け下げ(略礼装)メインで使いたい」場合

→淡い色味の平組で銀糸や金糸が入っているものがオススメです。

「普段着で使いたい、でも略礼装でも使える物を持っておきたい」という場合

→オススメは淡い色味の冠組です。

淡い色味なら単色でも、淡い色味同士のグラデーションでも。

銀糸が少し入ったものなら略礼装に合わせやすいですし、普段着にもコーディネートできます。

最後に

着物が好きになると、つい色々と集めたくなってしまう帯締め。

全体でなんと3,000種類あるとも言われます。

組紐自体の歴史の古さ、そして幾つもの種類が生み出されてきた物語がそれぞれにあるのかも、と考えると大切にしたいなと思います。

そして、帯締め1本でもコーディネートの雰囲気が変えられるので楽しいのです。

この記事がお気に入りの帯締めを探す参考になれば嬉しいです。

最後までお読みいだたきありがとうございました!

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